流れに目を向ける

うつ病の治療は、基本的には一定の流れを踏むことで改善できるようにできています。基本的にはゆっくり休んで英気を養うのが重要だということは共通していて、そのためのサポートを専門のクリニックが行ってくれるため、一定の共通した流れが存在しています。
そして、その流れは大きく分けると、うつ病に対する治療を受けた急性期から、ある程度調子が良くなり始めた回復期、さらに、ある程度安心できるようになってからも様子を見るべき再発予防期という3つの時期に分類されます。それぞれの時期にするべきこと、考えるべきことがあるため、自分自身も、周りの協力者も、うつ病治療の流れに目を向けることがとても大切です。治療の流れやポイントがわかっていれば、対処や改善が簡単になるのが、流れに目を向ける理由です。

まずは診察を受けてみることがうつ病の治療にはとても大切で、いわゆる急性期においては休むことが指示される傾向にあります。受けたストレスが強すぎて解決できない状態になることが多いのがうつ病ですから、その治療のためにはストレスを消化して回復するための時間が必要です。
ここで想像と現実が違うのは、いきなりたくさんの薬が出されるのではないということです。最初は少しの薬から治療を始めて、様子を見ながら必要量を調整していきます。抗うつ薬を投薬治療として導入した場合、即効性があるものではなく遅効性の薬だということも知っておくと、気長に治療へと取り組める気持ちが持てます。
急性期と呼ばれるような一番苦しい時期は、早ければ1ヶ月、時間がかかった場合でも3ヶ月程度で乗り越えられるといわれています。まれにそれ以上の期間が必要になることもありますが、いずれにしても、焦らずじっくり自分と対話しながら休むのが重要です。
急性期から回復期に移行する中で、今まで感じてきた不安感や憂鬱感が収まり、生活に必要な家事に取り組めるようになり、外出ができるようになったり物事に興味がわくようになったりして、生活が楽しくなり始めると期待できます。



ただし、急性期を乗り越えたからといって油断してはいけません。ダイエットを乗り越えて打ち上げと称して爆食を繰り返すと、すぐに体はリバウンドしてしまいます。それと同じで、うつ病の治療においても、多少症状が軽くなったからといって、油断をしないようにするのが大切です。ダイエットにおいてはリバウンドしないために、カロリーを元に戻したとしても運動はやめないようにするのが良いといわれています。それは、手に入れた健康的な肉体を維持するための取り組みです。これを、うつ病を治療している段階に置き換えると、安定した精神を維持するための取り組みを行うのが大切だ、といえます。
うつ病の回復期においては、調子の良い日が出てくるとはいっても、常に調子が良いというわけではありません。ですから、今はまだうつ病を乗り越えつつある段階だということを肝に銘じて、投薬治療を中断しないようにするのが重要です。ここで投薬治療を独断でやめると、従前よりも重いうつ病の症状がリバウンドとして返ってきて、大変な思いをすることもあります。
ですから、まだまだ気は抜かず、うつ病の薬を継続しながら、心身をゆっくりと社会になじませるように地道に取り組むのが重要です。生活リズムを安定させたり、考え方を変えてみたりと、労働や学業以外にできること、やるべきことはさまざま存在しています。
診察から半年ほどの時間が過ぎ、回復期を乗り越えて再発予防期になる頃には、治療の成果で十分な社会復帰ができるようになっていると考えられます。ですが、社会復帰できたことで薬の服用を中断しないようにするのが大切です。服薬量の調整に関しては必ず治療に携わった医師の判断を仰ぎつつ、不調になりそうな兆候を自分でも把握しておき、周囲の人と共有して、再発を予防できるように行動するのが重要です。